2008年 10月 21日
国際反戦デー |
その昔「国際反戦デー」というのがあって、40年前の今日、東大安田講堂は「安田砦」と呼ばれておった。40年経つと世の中様変わりするものだ。図はロシアの新聞プラウダである。
当時はまだロシアが「ソヴィエト連邦」と名乗っていて、「共産主義による世界革命」の元祖家元を自負しておった。プラウダも「ソヴィエト共産党機関紙」だったのだ。
さて本日のプラウダ英語版を見ると、ロシア人が英語圏に向けて何を言いたいかが良く解る。ロシア語版以外には英語、ポルトガル語、イタリア語しかない、というのもケッタイである。私は英語しか読めないので、別版には全く違うことが書いてあるかもしれない。
トップストーリーは
「アメリカの新大統領は、ブッシュの馬鹿な冒険から、全ての教訓を学ばなければならない」とあるが、中身は湾岸戦争当時のアウジ駐在大使がアルワタンなるサウジ紙のインタビューに「現政権は味方を疲れさせ、同盟国を弱め、米国自体を消耗し尽くした。」と述べた記事の引用だ。大体トップ記事が他紙のパクリ、というのが信じられん。
続いて
「世界は西側文明の終わりを喜ぶかもしれない」
とあり
「ロシアと米国の農民」
という記事がある。ロシアでは農地が余っていて、米国では農民が余っているから、あいつらを連れて来たらどうだ、という発想がすごい。石油バブルで元気がある割に、やはりロシア人の精神構造は農奴制から抜けきっていない様だ。
オピニオン欄というのに、
「ひとつの神は同じ神ではない」
とあり、何かというに米国のブッシュ君が「キリスト教徒もイスラム教徒も同じ神を信じているのだから。」云々と言ったのに噛み付いて、キリスト教とイスラム教の違いを説明してくれる。それも執筆はロシア正教の宗教ライターさんなのだね。教団機関誌でもない新聞が、今時こんな記事を一面に載せるというのも時代錯誤な感じがするが、真面目にやっているのであろう。
ヘブライ教、キリスト教、イスラム教という西洋三教は聖書を同じくしていて、その教えが「私はあなたの神である」「私以外の神をあがめてはならない」と要するに、「オレの神様とオマエの神様と、どっちが偉いか。」に始まって、「殺すな、盗むな、またがるな」は付け足りの様なものなので、敵が居ないと成り立たない。仏教徒からするとこれが世界から戦争の無くならない根源だと思うのだ。
by dehoudai
| 2008-10-21 09:40
| きせつ
|
Comments(0)