2018年 12月 17日
天龍杉 |
天龍材というのは日光様江戸入府の折、掛塚から大量に杉材を運んで名を成した。特に有名なのは杮板で、三代将軍の天下普請で大量に使われた。板屋町というのは羽目板とか床板ではなく、全国の神社仏閣の杮板をあそこで仕切っていたからだそうだ。材木屋が来たので
今はどうなのヨ?
と聞いてみた。ブランドもんでほとんど首都圏に送っちまうから、地元には回ってこないそうだ。その辺りのお分かりでないお奉行連が杉で地域振興と躍起になっているが、実態とは程遠いようだ。天龍杉で構造用集成材を作って体育館や図書館を作ったりするが、市場価格の2倍という値段なので、さっぱり拡がらないという。
ここ30年程での変化は高速道路網の整備で、秋田・熊本・高知など、これまで出材できなかった地域の山が潤っているそうだ。それはそれで結構なことだが、実情に疎い議員様連が、高速道路網のなかったころの補助金を未だにやっているのをどうにかしてほしいとのこと。
先日見たのは伊勢道無料区間だが、建設費を回収するには何十年かかるのだろうと思われる高速道路で、たまに見かけたのは材木屋のトラックだった。雀の涙の補助金よりも、高速道路の方がそんなことにも役立っているのだろう。
先年西浦の観音様を見た帰りに軽トラックに乗せてくれた地元の材木屋の親爺は
馬鹿馬鹿しいから下へ出すのはやめて、今は地元の大工にしか売らん。
by dehoudai
| 2018-12-17 05:53
| まちづくり
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