2015年 02月 07日
匙の文化 |
スプーンが多種類あるので、並べてみた。2001年9月11日以前に国際線機内食で使われていたものだ。
機内食のナイフ・フォーク・スプーンはアメニティーグッズなので、記念に持ち帰らなければ失礼だと考えて、せっせと持ち帰っていた。長距離だと往復4食分になるので、スプーンなるものを買ったことがない。上から
DELTA AIRLINES(ABCO)
virgin atlantic
CPAir(WESSCO KOREA)
NORTHWEST
NORTHWEST(JAPAN RMC)
NORTHWEST(THC JAPAN)
UNITED(ABCO)
CAL(Hocheng TAIWAN)
JAL犬印
KOREAN AIR
不明
上の3つは普通のスプーン。
ノースウェストの3つもまあ、普通。
ユナイテッドはヴァカンス気分というか、アホ。
中華航空はスプーンとしては上出来。
JALの犬印は「デザイン」と「スタイル」の区別がつかない若者が「デザインしてみました。」風。
一番下はノーブランドで、謎のスプーンだ。そして下から二つ目のKOREAN AIRのスプーンが、機内食のスプーンとしては絶品だった。
西洋文化の文脈の中では、スプーンというのは食物を口に入れるという、身も蓋も無いものだろう。ところが朝鮮半島ではこの「食物を口に入れる」という動作の根源が深い。食物の乗ったスプーンを口に入れる…唇で食物を押える…スプーンを引く、という動作に人生が凝縮していることを実感させる。口に入れるだけで官能的だ。これはスプーンではなく숟가락なのである。
私が常使いにしているのもその昔南大門市場で買った숟가락だ。スッカラというスプーンをつかうと、食物を乗せて口に入れる…唇で食物を押える…スプーンを引く、という動作が、かくも官能的なものかと、驚くことがある。
正倉院の匙が1,500年前、というから、スッカラ文化はそれより古いかもしれぬ。西ヨーロッパのエリートが刀で肉を切って、槍に刺して食っていた頃から、東亜の民は文化的な暮らしをしていた。
南大門市場でそれ一緒に買った젓가락もあるのだが、こちらはほとんど使ったことがない。私が使うと「カネの箸」になってしまうからだ。
彼の地のエリート層では、젓가락は膳の上に乗った副食物を、茶碗に取るためのもので、箸のように口の中に入れるものではないらしい。ちょっと想像がつかなかったのだが、以前彼の地の建築史の大学教授様に、昼飯をご馳走になったことがあり、彼の젓가락の使い方の優雅なことに感動したことがある。
道端でラーメンなどすすっている男子高校生など見ると、スジョの両方を右手で鷲掴みにして、器用に使い分けて食べている奴もいる。当然こちらも私には真似することができない。「食べる」というのは人間の最も基本的な動作で、身につくというか血液化してしまうのだろう。韓国では最近親日派いじめが流行っているようだが、正体を見抜くのにスジョの使い方を調べるのも良いだろう。
「森川潤こと洪蘭坡は「鳳仙花」と「故郷の春」も作ったが、軍歌も作ったから親日派だ。」というのも「他に生きる道がないから慰安婦になったのあって、軍命令ではない。」と同様、他に生きる道がないから軍歌も作ったのではなかろうか。そのあたり箸を使わせてみれば、どの程度の親日かが分かるだろう。
by dehoudai
| 2015-02-07 14:02
| たべもの
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