2014年 02月 16日
Hotel on the Corner of Bitter and Sweet |
on the Corner of
Bitter and Sweet
Jamie Ford
Ballantine 2009
Allison & Busby 2012
あの日パナマホテルで
集英文庫 2011
良い話だ。
始めから引き込まれてしまう。
私は小学校5年生まで舞阪小学校、5年生の3学期から元城小学校に通った。家尊が満州から引き揚げて来て、母の縁者が持っていた舞阪町の保養所に暮らしていたのだ。
幼稚園から5年生までは漁師町の子供と遊んだのだが、毎日が戦いだった。それも保育園から私一人と私以外の全員、という戦いだった。保育園の庭は全体が砂場で、砂の投げ合いをして、最後は私が隅の一角に追いつめられてしまう、という筋書きが毎日繰り返された。
昔ながらの漁師町のガキどもから見れば、私は宇宙人の様なものだっただろう。「エービーシーって終わりまで言ってみよ。」と言われてゼットまで諳んじてみせると、ついたあだ名が「エービーシー」だった。
それが浜松の城の裏に引っ越して、街の小学校へ行ってみると、舞阪のハナタレ娘達とは似ても似つかない、街の女の子達のキラキラした様子に、目を回してしまったのだ。
ヘンリーとケイコも街中の育ちなのだが、アジア人というマイノリティで、いじめの対象だ。しかも親達は侵略戦争で敵対している。

日米開戦時に小学校6年生ということは、私の姉のサチコさんと同学年ではなかろうか。図はその頃満州帝国で優雅なお暮らしをしていた、サチコさんがマーチョでお出かけの図だ。
ヘンリーとケイコは同じマイノリティである黒人サックスプレイヤーのシェルドンとも友達になる。シェルドンの手引きで裏口からブラック・エルク・クラブに潜り込んだ二人の前に、FBIの捜査隊がなだれ込んで来る。
密造酒を名目とした捜査が、実は日系人の諜報活動の摘発らしいのだ。とここまで読んで確か「中山先生」という名前が「北米百年櫻」に出ていなかったか、と思い出した。確かめてみようと図書館に出かけたのだが、何と言うことでしょう、以前は開架にあった同書が消えている。閉架の目録にもない。
北米百年櫻
北米百年桜実行委員会 1968
は明治100年を記念して、北米の在留邦人・日系米国人がまとめた聞き書き・自分史の集大成だ。その後戦前の日系米国人について出版されるものは、日本語ではなく英語が主流になるので、貴重な「ナマの声」だ。古本は高いぞ。
借りる人も居ない、汚い本、ということで捨てられてしまったのでは、図書館の存在意義自体が疑われる、と職員にネジを巻いておいた。PFIも結構だが、市立図書館がウォルマート式になってはオシマイダ。
本書も本体399円、送料250円なのだが、英国から発送されている。シアトルの方が近いのにと思ったが、版が英国版だった。Amazonではポチってから一週間、国内送料も海外送料も同じなのだから、旅客機もサーチャージなんてものは止めて欲しい。
この時期シアトルから日本へ行こうと思うと「成田行きは機材点検のため、出発が遅れております。」と言われることがある。実はデンバーからの到着便が遅れてるのが真相で「雪だな。」となるのだ。
Songs of Willow Frost

Hotel on the Corner of Bitter and Sweet
by dehoudai
| 2014-02-16 13:31
| ほん
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