2013年 08月 19日
菜穂子さん |
世界の自然遺産と違い、目に入る日本の山河は、「生の自然」ではなく、全て何千年かの時間をかけて、人間の手で作り上げられて来たものだ。
田舎もんから見ると、江戸ー東京というのは、そうした美しい日本とは別の「諸国の掃き溜めー悪所」であって、怖いところだ。元々「都」ではなく「幕」「府」つまり「東北原住民掃討作戦前線総司令部」の門前町なので、立川基地のゲート前なのである。
そんな東京は別に無くても構わんので、基本的徴税権を地方自治体に大政奉還して、財務省を解体するのが宜しい。
外人建築家が「インデペンデンスデイ」の宇宙船式の建築でぐちゃぐちゃにするも可という、世界的にも稀な「諸国の掃き溜」なので、新世界を搾取して出来た、19世紀絶対王朝の「都の残骸」を大事にするしかない人々からすれば、さぞ羨ましいことだろう。
ゲート前で何百年か暮らした「てやんでい、べらぼう連」は御一新とともに難民と化して、浜松なんぞへずらかったり、お上の詮索を避け、官鉄はヤバイので、私鉄沿いに染み出し、千住だの、荏原だの、府中だのでちゃきついている。
住宅設計でも「美しい山河」をさらに美しくできるかどうかを、自戒とせねばなるまい。
堀辰雄を慕ったという立原道造は、東海道鉄道の風景を「濱名湖を過ぎる」と記している。
普通にもの考えをしているときのエネルギー消費でも、軽歩行程度だそうだ。
「身体を使う。」のは筋肉を使うことだ、という軍人さんが国家を動かす様になり、頭脳を振絞って未来を考える若者達は、「何もせずゴロゴロして、御政道に反抗する不逞の輩」となり、栄養失調で死ななければ結核で死ぬ、という時代だった。
いや、現在でもこの国エリートは、大学合格・本省入省・国家公務員総合職合格とともに、頭脳を振絞ということを忘れてしまった人々だ、というのが東電原発事故以来明らかになった。
教科書は丸暗記したので、後は上司の顔色をうかがえば「身分」が保障されるが、自分の頭で考える者は、はじき出されて30代で天下りだ。財政赤字で日本国は滅びようとするが、歯止めがかからないのは、この「身分制度」によるものだ。嗚呼、こんな御国に誰がした。
嶋田
東海道風景選集
川瀬巴水
渡邊木版美術画舗 昭和6年
にも描かれているものだ。
鉄道の最高速度はすでに1900年代、200km/hに達していたが、日本の鉄道は狭軌であり、新幹線まで、堀越次郎がドイツ、ユンカース社で感じたのと同じ「彼我の差」を越えられずに居た。
英国の植民地規格という3'-6"ゲージの日本の、その又植民地規格の2'-6"ゲージで作られた台湾東部線には、その昔、夜行の特別急行列車が走っていたそうだ。2'-6"軌間のレールの上を、時速80kmで走るので、横向き重力加速度かなんかが、4'-8-1/2"の新幹線規格に換算すると、時速300kmを越えるそうで、大変な迫力だったそうだ。
一度乗ってみたかったのに、4'-8-1/2"に改築されてしまったのは残念。
六合ー藤枝間が、速度記録の試験線に選ばれたのは、長い直線だった為だろう。地形だけでなく、明治22年東海道鉄道が造られた時「陸蒸気なぞいらん。」という抵抗勢力が少なかった為に、直線に出来たこともあろう。
現在の藤枝駅は旧青島村にあり、地元からの誘致による請願駅だそうだ。120年を経て藤枝市の中心は東海道藤枝宿から青島村へ移っている。
音程練習ばかりやっていた。そうだ。明治以来、伊沢修二などが中心となって進めた、アメリカンフォークみたいなものは「敵性音楽」で御法度。同盟国のドイツ歌曲など、教えるものが居なかったということだろうか。
流行歌なんかは聞かなかった?歌わなかった?「君恋し」とか?と聞くと、自分達で映画館などへ行こうものなら停学。という世代の彼女からは、コシコロビという言葉が出て来た。
袋井在の酒造家である彼女の家では、春先、新酒の仕込みが終わると「コシコロビ」という職人衆の慰労会をやったそうだ。「甑転」か?
二階の十畳に酒肴を揃えて、職人衆をもてなす、娘共は次の間の八畳に控えて接待の手助け。三味線が入り、大宴会となるのを聞くのも、家業であるから停学の心配は無い。「君恋し-1933年」等もそうして覚えたのだろう。
流行歌も色々あったけどねえ。という訳だ。
義母よりも大正2年生の私の母の方が「風立ちぬ」の菜穂子さんに近い世代だろう。堀越技師の妹さん程、勉学に適していなかったらしく、
吉岡弥生先生の女子医専に合格できなかったので、絵を描いて遊んでいた。そうだ。洋画ではなく、
伊東深水先生のお弟子さんに付いて日本画を少々。なんだが。生前
長いこと見たかったのに封切りの時、戦時輸入禁止で見られなかった。ということでペペルモコの「望郷」をテレビで見ていたことがあった。
風立ちぬ
by dehoudai
| 2013-08-19 13:30
| きせつ
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