2008年 09月 23日
台北人 |
台北人/白先勇
が出ている。「孽子」より少し前にまとめられた短編集で、1960年代の台灣を白先勇青年が見つめている。「孽子」に使われたプロットのいくつかも、もっと生々しい形で収められている。
孤恋花
も収められている。楊三郎は林三郎の名で出て来て、この歌の出来たいきさつも語られている。まあ
奥山住まいのウグイスは 梅の小枝で昼寝して
春が来るよな 夢をみて ホケキョホケキョと鳴いていた
といった苦界に沈む女の見果てぬ夢を歌詞にしたものだが、小説の結末は李昂の「夫殺し」みたいな凄まじいものだ。
癲狂院からの帰り道、盲いた三郎が乞われて、手を引かれながら歌うのが
月斜西月科西真情思君君不知
青春欉谁人害变成落叶相思栽
という「孤恋花」の一節だ。
刈入れの終わった稲田に、海峡の夕陽が作る長い影は悲しすぎる。
となると、私の感覚からは「三郎」は「サブロー」なんだが、実はこの情感は東アジアの広い範囲に共通するらしい。とうわけでハヤシサブローはリンサンラン、ヤナギサブローはヤンサンランなのだ。
台北と浜松を行き来しているR君に、当時の楊三郎自身が歌っている海賊版のカセットを三越裏あたりで売っていないか聞いたら、「昔はともかく、今はそんなものありません。」とあっさり切り捨てられてしまった。
近代人であるインサイダーから見ると、この時代の中華民国軍が、実は三国志以来の伝統を守る「諸公」の寄り合い、という話もいくつかあって、これも面白い。
niehtzu
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by dehoudai
| 2008-09-23 15:59
| ほん
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