2017年 12月 14日
幕府衰亡論4 |
挪威國奧斯陸府では國王陛下妃殿下列席の元、諾貝爾賞がICANというNGOに授与され、サーロー節子さんが御前講演をしたが、国内各紙で見やすいところに全文を掲げているのは東京新聞くらいか。
扨て嘉永6年6月3日に黒船浦賀へ来航とて、上を下への大騒ぎ、此頃船に車がついていて、それを回して進む、という「車船の図」というのが水戸藩で作成されているらしいので、当時の人々の想像力を計ってほしい。
文政六癸未之夏狄舶七八艘、、、帆ハ風車ノ如ク四ツノ車ニ、、、風上ニ走リ風下江ハ帆車帆ニ成走ルカ風切ノ様成、、、
徳川幕府は
七月朔日を以て諸大名諸役人に和戦如何の意見を問ひたるなり。
前代未聞の事なれど、其目指すところは
到底戦争は不可なりと雖も幕議を以て和親と決しては時論に背くの恐あり、故に先づ諸大名諸役人をして和議を主唱せしめ次に幕府は主戦の本意なれども枉て衆儀に従ひて開戦を見合せ暫く和親の方針を執るべしと布告し以て内外を瞞着すべと云う権謀であった
というのが福地源一郎君の論ずるところで御座る。
所謂幕吏が苟且姑息の計らい
では御座るが、何せ
外國の軍艦を見たる事のなき人々の中には、
短兵接戦は我が長技なれば、小船にて敵船に乘附べし。
日本刀を振て帆綱をば素麺を切るが如くにズタズタに打ち切るべし。
敵船の兵士等を西瓜を切るが如くにサクリサクリと切り捨つべし。
鐡の鑿を敵船の腹に打込みて穴を明け水船たらしむべし。
塵芥を上流より流して敵船の蒸気の運転を中止せしむべし。
風上より焼草を積みたる小船に火を掛けて押し流して敵船を焚打にすべし。
などヽ奇効新書や海戰兵談にありそうなる兵略を談ずる輩もありしかど、斯る児戯に比しき兵略の行はるき乎、
という有様で、衆儀はなかなか閣老安倍伊勢守以下幕府の重立たる面々の思ふ所には向かってくれない。というわけで続く。アベシンゾー君も「戦争だっ。」と連呼するだけでなく、一度実地に北朝鮮を見て来れば、考えも変わろうか、無理か、
by dehoudai
| 2017-12-14 18:06
| ほん
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