2015年 10月 24日
瘴癘の地 |
三井レジデンシャルのセールスマンから「夢の我が家」を買い求めた方々にはお気の毒ですが、建て替えには所有者の4/5の賛成が必要とあるものの、現実的には精算業務など、100%の同意がないと実現不可能でしょう。やはりマンションは賃貸に限ります。
韓国のマンションは「チョンセ」と言って、使用権のみが販売されるようですが、1990年代に大量に建設されたマンション群が、20-30年後にはどうなっているのか、ちょっと寒いものがあります。
狎鴎亭は「鴎をならすには私心があってはならない。」とかいう王様の夏の離宮があったところだそうですが、田園地帯の水辺で、川風が涼しかった時代にはともかく、高度の都市開発がされた現在、高温多湿な土地は瘴癘の地となり、気温36℃湿度90%といった夏に、漢江と清渓川から立ち上る水蒸気は快適なものではありません。
李明博さんは中近東へ「ロームシャ」を輸出して財をなした方だそうで、その勢いでソウルの「都市改造」をやっちまったものだから、20年後のソウルには、一昔前に有名だった香港の九流城みたいな「魔窟」が出現すること請け合いであります。
まあ日本にも東海道新幹線下りで「間も無く小田原」辺の山側にはこんな景色も見られますが、こちらは戸建なので「自業自得」ということで。あの時代、みんながビョーキだったのです。深刻なのは「夢の山荘・新幹線から15分」が姥捨山になっている函南のような自治体でしょう。
そしてEUと比べても特段に広い国土でもないのに、過疎地と過密地が隣接し、一歩山に入るとライフラインの確保が深刻な問題となっています。欠陥マンションの技術論ばかりが報道されますが、
なぜ超高層マンションに住まなければならないか?
なぜ都市部に出なければ所得が得られないのか?
という国土計画の根本的課題については、報道されず、
ヨーロッパの田舎に行ったら素敵な村があった。
by dehoudai
| 2015-10-24 11:05
| まちづくり
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