2015年 07月 21日
東京停車場と感想 |
小論の結語は次のように始まっている。
観じきたって、東京停車場の総勘定は何なりやというに、老大家の技量や、この停車場の世間的価値に対して充分の尊敬を持しながら、高き一面よりして到底失敗であるという現金と、残念ながら建築がまだ日本建築家に頤使に甘んじないという手形である。
これは何に原因するか?建築家責めか、あらず、建築家以外の国民の罪か、あらず、あらず、原因は実に国民全体と建築の距離に存するのである。
[読売新聞大正4年1月27〜31日]
底本は
建築家遠藤新作品集
遠藤新生誕百年記念事業委員会編
平成3年
全文書き写しておいた。右から表示するタグがわからんので、おしまいから表示される。スクロールしてほしい。
国立競技場も大正4年の建築家と国民全体との距離が、さっぱり変わらない。 次に思い出したのは西貢中央郵便局だ。エッフェル等を設計したエッフェル氏の設計だそうな。 台湾総督官邸は誰が設計したのだろう。こんなところを黒いカバンを持って通りかかったら、何をされるかわからない、という時代もあったのだ。 朝鮮総督府は邪魔なので取っ払ってしまったが、京城駅など大事にされているのは有難い。徳寿宮は浜松市天王町新田生まれの中村與資平の設計だそうで、先年修復のための調査チームが設計図の調査に来浜した。
by dehoudai
| 2015-07-21 13:37
| まちづくり
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