2015年 02月 21日
越境 |
ロシアに見切りを付けて、EUとお付き合いをしたいウクライナでは、西ヨーロッパからの強い要請により、越境者をどしどし摘発、収容施設を作って放り込んでいるそうだ。
難民認定を求めているだけで、悪いことをしているわけではない、という越境者はソマリアなどからの難民だそうで、事態は簡単ではない。
内戦の続くアフリカその他からの難民希望者は、西ヨーロッパを目指すのだが、各国ともガードが固い。そこで戦争でそれどころではなさそうなウクライナを目指し、ウクライナに同情的な西ヨーロッパへ向かうには、ウクライナからが越境しやすそうだ、という発想らしい。
捕まえたところで、特別なツテがなければ裁判があるわけでもなく、放ったらかし。ムスリムによるテロで雲行きはますます怪しくなので”Guantanamo East”というわけだ。
日本にもその昔大村収容所というのがあって、入ったら出てこれない”Guantanamo East”だったようだ。
似たような国境の光景を一度だけ目にしたことがある。学生時代に朴正煕軍事政権見物に行ったことがあるが、その時の下関からの出国審査がまさにそれだった。相手は釜山あたりの担ぎ屋のおばちゃん連。
通常入国検査というのはちゃんとやるが、出国審査というのは無いも同然、というのが多い。「厄介払い」というのは理に叶っている。ところが下関の出国検査場は、出入国事務の検査官が徹底的に検査と称する嫌がらせをやっていた。おばちゃんたちは毎度のことなのだろう、大きな荷物をいちいち広げられ、あーだのこーだのと係官が難癖を付けるのに、大きな声で怒鳴り返して、賑やかなものだった。1970年頃の下関出国検査場は、戦前の関釜連絡船の検査場の伝統を受け継ぐ、民俗文化財だった。
「みんなで通れば怖くない」をやったのはロンドンヒースロウ空港。日本行きの出国審査がインドかパキスタン行きと重なって大渋滞。同じように大きな荷物を抱えた一団は、クリスマスの帰郷だったのだろう。
エコノミーの大渋滞を尻目にファーストクラスの審査はガランとしていた。そのうちファーストクラスの審査係官と言い争いをしていた一団が、次第に声を荒げて、パチンコ屋の新装開店同様、柵をワッセワッセと押し始めた。多勢に無勢で押し返せなくなった係官はゲートを開ける。どっと人がなだれ込む。私もエコノミーの後ろからそちらに走って、渋滞を尻目にスピーディにゲートイン出来た。
カザフスタンが「沈む巨船」ロシアに見切り、という記事もあるぞ。
シアトルからは2年前から砂を噛んで立ち往生していた、6車線の高速トンネルを一発で掘るという巨大カッターヘッドが、やっとの事で修繕用の竪坑にたどり着いた、という良いお知らせ。カッターヘッドは日立造船かどこかの、日本製だ。
米国西海岸では港湾ストが続いているが、輸出品目を見ると航空機、乗用車、石油製品はともかく、大豆、米、など米国経済も大変だ。
一次産品でも米国が資源と奴隷労働を売るのに対し、日本は「手塩」とか「丹精」といった高度な手業を輸出するのだ。
by dehoudai
| 2015-02-21 11:26
| にゅーす
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