2014年 02月 09日
悪いニュース |
上村愛子さんがメダルを取れなかったとか、村田愛里咲ちゃんが怪我をした、なんてえのは「想定内」なんだろうが、こちらは深刻だ。
バーサというのはシアトルのウォ−ターフロント地下に高速99号線のトンネルを掘っているボーリングマシンだ。
ここには1960年代始めに港湾地区に高架高速道路が作られた。プレステの「グランツーリスモ」にシアトルのコースがあったのをご記憶の方もおられるだろうが、あのコースの上に掛かっていたのが高速99号線、通称「アラスカ通り高架」だった。
だった、というのは1980年代からのウォーターフロント開発で、それまでの業務地区で商業開発が進み、高架を何とかしねえか、という声が次第に高まって来たのだ。
巨額の費用で話は進まなかったのだが、2001年にオリンピアでM6.8のニスカリー地震があり、市内でも若干の被害、マグノリアへ渡る高架橋は点検終了まで通行止めとなってしまった。
推進派はこれに力を得て「高速99号線は危ない。」と声を上げ、それから10年程主として工事費に関するもみ合いがあった後、2011年着工となり、早速高速99号線高架は爆破撤去されてしまった。決まったとなると「二丁拳銃早撃術」だ。カネやタイコで囃し立てたのは、都市開発業者だろう。
それがボーリングマシンの稼働から数ヶ月にして工事中断。先の見通しもはっきりしないと言うのだから困ったものだ。
かくなる上はシアトル大酋長の筋目を継ぐ、風水師に知恵を借りるぐらいしか、手ははあるまい。北米原住民の「酋長」というのは、我国でいえば「風水師」であるようだ。HSBCの香港HQの設計では、計画段階から風水師の指導を受けているそうだ。都市計画というものはかくあらねばならぬ。
市役所当局によれば高速99号線だけでなく、1900年代当初から行なわれた都市開発の際の”SealWall”と呼ばれる巨大擁壁の中にも危険な部分があるそうだ。
別の識者によれば
あそこは原住民が代々先祖を祀ったホカシ場で、20世紀に入って悪徳葬儀社が、白人の御遺骸を許し無く捨てていった所なので、アブナイ。パイク・プレースの地下商店街で、原住民の老人が壁の中へ消えて行く人を見たことがある、というのはそういうことだ。
そうだ。高速99号線のトンネル現場でも、大地から睨む眼が有るのではなかろうか。
本日都知事選挙とのことで、都民の知性が問われている様だが、どちらへ転ぶことであろう。
一見関係ないように見えるが、バーサのカッターヘッドを納品したのは日立造船だそうで、次は日本橋の地下を、と売り込んでいる様子が見て取れる。
神宮外苑にアワビと言おうか、ウミウシの如きものを据えて、競技場にしようだの、日本橋の上の高架高速は目障りだのと、近代科学技術が2011年3月12日に終焉したのに気付かない、あるいは気付かないふりをしている連中は、どこまでやれば気が済むのか。
都市部の自動車専用道路は経済開発に資するより、コミュニティを分断する負荷の方が大きく、今後作られることは無いだろう。
ピーター・ホール教授/ロンドン大学
と1970年代に超高層アパートを「途上国向けデザイン」だと切って捨てた国の識者は、冷ややかな目で見ている。
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日暮れて道遠し
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by dehoudai
| 2014-02-09 11:52
| まちづくり
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