2013年 11月 24日
10年前2 |
70年前の日米開戦以来暖めて来た「ブタは太らせてから食う。」という秋がやって来たのだ。
建設業界はかろうじて土地あってのものだったが、建材屋などは1987年米国金融崩壊後の「実体経済など、高度金融技術によるバクチのネタに過ぎない。」というグリーンスパン式にもろかった。
統合・合併が続き、撤退がそれに続いた。そして建材屋は全国版のハウスメーカーの言いなりになって行った。
その波をもろにくらったのは、技術情報と建材屋の新製品のコマーシャルを取り違えていた零細設計事務所だった。
このあたり「建材輸入」に手を染めてみて、良く見えたものだ。
米国では最近、投資家のカール・アイカーン氏がアップルに株の買い戻しをしろ、と発言して話題になった。
発言によってアップルの株価が、時価総額で2兆円以上も上昇したのは、1/1,000秒単位で株価予測を行なってバクチを続ける、という「高度金融技術」の話だろう。
しかしアイカーン氏の言いたかったことは、実体経済で企業収益が上がるものは、株式市場のバクチに左右されない方が良い、ということではなかろうか。
デルも2014年度までに株式を非公開にするそうで、高度金融技術による賭場と化した金融市場は、崩壊のときが近づいている様だ。「高度金融技術」が通じるのは、原油価格ぐらいにしておいた方が、害がない。
日本の住宅産業も既に「高度金融技術によるバクチのネタ」と化しているのではあるまいか。1970年代の「マイホームの時代」には各社競って売り込みに余念がなかった「製品技術のご紹介」は影を潜め、実体のないコーポレートイメージの押しつけが薄ら寒い。
食品なら産地偽装・温度管理偽装と騒ぐことも出来るが、「一生に一度の買い物」では、しくじっても後の祭りだ。テレビコマーシャルにだまされる消費者がそれだけ多いということだろう。メーカー側は「ノークレーム商品」の開発に余念がなく、それが職人を絶滅させて、ツマラン建材と米国式の奴隷労働が残される。
どうにもならない「沼新田」と「陰谷地」が造成されて「陽光台」と「くぬぎの森」になってしまっても、全てのことは不動産屋の重要事項説明書に、書かれていると思い込んでいて、そこがどのような歴史を持っている場所かには、興味を抱く人は居ない。
戦国時代の落ち武者の幽霊がさまよっていても、不思議は無く、そうした「微かな疑問」を煽る「心霊番組」だけがテレビで流されるが、地域の歴史資産には関心が集まらない。「インターまで何分、何エーカー(一戸辺りです。為念。)」で住宅地を売り込む米国式の真似だ。
最近YKKのサッシを使っているのは、カール・アイカーン氏のご忠告と同じ理由だ。世界中のファスナーの90%以上を生産する同社は株式非公開なのだ。よって他の建材メーカーの様に、テレビの画像で消費者をだませば商品が売れ、後で騙されたことに気付いても手遅れ。という商法に手を染める必要がないのだ。
by dehoudai
| 2013-11-24 13:13
| まちづくり
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