2013年 10月 16日
有時鯰 |
4月3日
IAEAのログは、海水取入れ口横の、2号機下部の収納ピットに出来た割れ目に初めて言及している。原発から30キロ沖の海水から、事故前の数万倍に及ぶ、高濃度の放射性ヨウ素131とセシウム137が検出された。後にニューヨークタイムズが報じたところによれば、汚染された収納ピットは漏れており、高度汚染水が直接海に流れ込む川と化していた。
4月4日
東京電力は日本政府から、オリンピックの競技用プール5個分に当たる、汚染水11,500トンを太平洋に放出する許可を得た。
汚染水の濃度は法的基準上限の100倍に当たるが、太平洋は広大で、東電は問題を予測していない。
IAEAのログによれば、東電は原発付近で獲れる海藻などの海産物を、1年にわたって毎日摂取した場合、加算される放射能は0.6ミリシーベルトであり、健康に危険なレベル以下だと試算している。東電は魚については試算していない。
情報は水に似ている。捕まえるのは困難で、逃がさないようにするのも困難だ。東電と日本政府は、メルトダウンのニュースを隠そうとした。しばらくは核心的な情報を公表せず、周辺地域での危険な状態に有る放射能レベルについて、カバーアップを行なったが、結局情報は漏れ始めた。
日本国民は忍耐強くすぐには怒らない。しかし成り行きの不手際、噓、カバーアップが明らかになると、心底からの怒りに火が点いた。
日本では古来湖・河川には人間に姿を変え、言葉を話す「もの言う魚」が「ぬし」として棲んでいて、人間が水の領地を乱すと、人の姿となって警告を発してきた。聞く耳持たぬ人間に、洪水などの「バチ」を与えて来た「もの言う魚」は、19世紀中頃には地震鯰に変わった。鹿島神宮には大鯰を押さえる要石がある。
ゆるげども、よもや抜けじの要石、
鹿島の神のあらん限りは
ネッカー川にも巨大な鯰が居た様だ。オヤジが言うにはそいつが水面に上がって来ると、地震が起きる。まあ、今ならチェルノブイリに居るそうだ。誰も獲らないから4m近くなって、川の底で泥を食べている。まだ放射能で汚染されているだろうが、鯰は気にしないのさ。
地震鯰は幕末には「世直し鯰」とも考えられていたようだ。持てる者の財産を破壊し、それで得た小判を切腹によって腹の中から出し、庶民に与える切腹鯰もいる。
伊勢参りから「ええじゃないか。」の騒乱状態を経て、「御一新」ということになったのだが、これが庶民の考えて居た「世直し」かどうかには疑問もあろう。
鬼才、河鍋暁斎が描いたのは「富士越鯰」だ。黒服を着て髯を伸ばした官員さんは、「文明開化」ということで「世直し鯰」気分なのだが、ネタは自分の頭で考えたわけではなく、諸外国の文献をヨコモジからタテモジにしただけなのだ。
一歩国の外に出れば「責任」という言葉は存在せず、
accontability=想定能力
responsibility=対応能力
liability=補償能力
が事に当たる者に求められるのだが、我国ではそのようなものは求めらていない。その代わり「責めに任ず」という訳で、やっていることがばれたら責を受ければ良い、というシステムになっておるのだ。
「責め」というのは「水責め」「火責め」の如く、犯罪者に対する刑罰を言うのであって、江戸時代も明治以降も、この国は犯罪者が事に当たる国なのかもしれない。
今は帯刀が許されていないので、悪事がバレたら本省の窓から飛び降りてしまう、という「切腹主義」をどうにかしなければ、日本国は崩壊だ。
ところで150年前には吉原に陣取って、黒服の鯰連を操っていた「三味線猫」族は、近年どこへ隠れているのだろう。
ルースとオリバーの今日の夕食は、浜で拾ったカキとアサリだ。村人の決めでカキはカキは一日30個、アサリは150個となっている。この辺りのカキは、元々宮城からきた栽培種が繁殖したものだそうだ。
マンハッタンで最後のカキを原住民が収穫したのはいつか?
有時落飾
有時自決
有時施餓鬼
有時鯰
有時サーフィン
有時山寺
有時地震
有時Whaletown
有時バブル崩壊
有時
A Tale of Time Being
by dehoudai
| 2013-10-16 13:12
| ほん
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