2013年 09月 15日
戦争にうんざり |
古来ミンダナオ島はマライ・ポリネシ系の原住民が、山中で幸せに暮らしていたそうだ。まあ高砂族の親戚だろう。ということは熊襲の縁者でもあり、日本列島住民の中にも縁の深い人々がいる。
それが平安時代の頃から船に乗ったアラビア商人が海岸に住み着くようになった。戦国時代にはスペインから来たカトリック教徒も、次第に数を増した。まあそれなりに住み分けが出来ていたのだろう。
ところが米西戦争が終わると、米国からプロテスタントがやってきて、原住民の住む山と、カトリック・ムスリムの住む海岸の間で大規模農業開発を始めた。
土地所有問題もあって、原住民・カトリック・ムスリム・プロテスタントの間が、だんだんきな臭くなって来たのだそうだ。
農業開発の大手は、デルモンテのパイナップルとドールのバナナだというから、我々の日常生活とも直結している。
裕仁さんに代わって一時日本で「テンノー」をやっていたマッカーサー氏の家も「フィリピンの大農場主」ではなかったか。「日本国憲法第9条の原型は、フィリピンの反政府ゲリラの刀狩り」説もこの辺りだ。
かくしてムスリム諸君はインドネシアとマレーシアを頼みに「悲願独立」となり、ドンパチが終らない。
先日ミンダナオ島からフェアトレードの話をしに来たおばさんが居たので聞くと、
キリスト教だのイスラム教だのといっても、男達はということであるらしい。何だか台湾原住民の、伝統的な「男の道」に似たところもある。しかし「宗教という麻薬」「国家という麻薬」に酔っていても、腹の足しにはならないので、うんざりしている向きも多いのだ。宗教も国家も、民衆の財貨を一部のものが召し上げる、お題目になってはオシマイだ。
今日は何人殺した。
先週は首をいくつ取った。
と言っているばかりで、食べ物を持って帰るわけではない。結局男の食べ物を手に入れるのは、女の仕事なのよ。
Ceasefire in Zamboanga
Aquino warns MNLF rebels
しかし海が荒れるとタイの岸辺に打ち上げられ、ここでも「ここは仏教徒の国で、ムスリムを入れることは相成らん。」と引っ捕らえられているそうだ。
irrawaddy.org
難民となるムスリムの多くは漁民であろう。タイの漁船団の中にはそうした密入国者・難民を「月160ドルになるから。」と騙して漁船に乗り込ませ、何ヶ月も働かせた挙げ句、給料を払わないで逃げてしまうものもあるという。
irrawaddy.org
スーパーに並ぶ「インド洋産黒マグロ」なんてのもそうして捕られた魚かもしれないのだ。日本では続く「魚価低迷」で漁村の存続が危ぶまれているのだが、安い魚はそうした違法労働が脚を引っ張っていることが考えられる。
世界の漁民が、漁に出ることで正当な収入を得、幸せに暮らせるようにならなければ、魚価低迷に歯止めはかからないかもしれない。
キムジョンウン君も来年の春窮は「脅し」ではなく、別の方法で乗り切って欲しい。
by dehoudai
| 2013-09-15 13:31
| はんせんろん
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