2013年 07月 29日
Lich su Kien Truc Viet Nam |
ベトナム現代短編集2
加藤栄編訳
大同生命国際文化基金 2005
第1巻を読了返却。2巻に引き込まれる。
といっても
興味深いのは、背景となっている自然環境・社会環境に、日本とそっくりなものがあることだ。水田・川辺・墓地にも日本と似た様な風景が拡がる。
西洋三教の様に同宗の人間だけが、特別な存在だと考えず、窮亀病雀も生き物としての価値は同じ、と見るのも日本と同じだ。
フランスの植民地時代、日本による大東亜共栄圏下での独立、抗仏戦争・抗米戦争期の戦時体制、その後の改革路線と、土地所有制度も度々変遷し、それとともに村の中に争いの種が積み上げられて来ただろう。
そうした村内の怨讐は、つい昨日までの日本でも、同じ様なものだったのではなかろうか。農業では最早食べてはいけない、と若者が村を離れて、工場労働者になることで、村内の怨讐も薄れて行くが、それはそのまま農村の解体と表裏一体だ。
現在の日本では農村のコミュニティーとしての機能が、行政に簒奪されているが、村のお寺の総代会などには、伝統的な農村社会の雰囲気が残されていよう。
民家が土間住居と高床住居からなるのも、東アジアの水田稲作地帯に共通のものだろう。平安時代の寝殿造りに見られる「釣殿」「渡殿」も「川の上は涼しい」という、ヴェトナムに見られる住居形態と共通するものかもしれない。 Lich su Kien Truc Viet Nam
Tim Hieu
Nha Xuat Ban Xay Dung 2011
より
志村けんの「バカ殿」が臺湾で結構うけている、という。「馬鹿殿様」「馬鹿家来」「御殿女中」など普遍的なキャラクターだけでなく「お坊さん」「小坊主」「お経」「釣り鐘」といった大陸伝来の小道具も親しみを感じさせるのではなかろうか。
中越戦争もあり、西沙列島で対立を続ける中越だが、大陸伝来の小道具の中にはヴェトナムにも通じるものが有るのではなかろうか。
現代日本が、実はそうした志村けんの「バカ殿」で出来ているというのは、ホンダに始まり、高速道路・ダム・新幹線という、形を変えた侵略の進むヴェトナムでも受けるかもしれない。
ベトナム現代短編集1
131012
名将ボー・グエン・ザップ翁が逝去。国葬が執り行われた。本書にも出て来たホーチミンルート防衛隊の乙女達のお仲間も、すっかり落ち着いた年頃になり、国葬に参加している。
加藤栄編訳
大同生命国際文化基金 2005
第1巻を読了返却。2巻に引き込まれる。
といっても
Lich su Kien Truc Viet Nam
ヴェトナム建築のなぜ
という本を読み解く参考にしていたようだ。
興味深いのは、背景となっている自然環境・社会環境に、日本とそっくりなものがあることだ。水田・川辺・墓地にも日本と似た様な風景が拡がる。
西洋三教の様に同宗の人間だけが、特別な存在だと考えず、窮亀病雀も生き物としての価値は同じ、と見るのも日本と同じだ。
フランスの植民地時代、日本による大東亜共栄圏下での独立、抗仏戦争・抗米戦争期の戦時体制、その後の改革路線と、土地所有制度も度々変遷し、それとともに村の中に争いの種が積み上げられて来ただろう。
そうした村内の怨讐は、つい昨日までの日本でも、同じ様なものだったのではなかろうか。農業では最早食べてはいけない、と若者が村を離れて、工場労働者になることで、村内の怨讐も薄れて行くが、それはそのまま農村の解体と表裏一体だ。
現在の日本では農村のコミュニティーとしての機能が、行政に簒奪されているが、村のお寺の総代会などには、伝統的な農村社会の雰囲気が残されていよう。
民家が土間住居と高床住居からなるのも、東アジアの水田稲作地帯に共通のものだろう。平安時代の寝殿造りに見られる「釣殿」「渡殿」も「川の上は涼しい」という、ヴェトナムに見られる住居形態と共通するものかもしれない。
Tim Hieu
Nha Xuat Ban Xay Dung 2011
より
志村けんの「バカ殿」が臺湾で結構うけている、という。「馬鹿殿様」「馬鹿家来」「御殿女中」など普遍的なキャラクターだけでなく「お坊さん」「小坊主」「お経」「釣り鐘」といった大陸伝来の小道具も親しみを感じさせるのではなかろうか。
中越戦争もあり、西沙列島で対立を続ける中越だが、大陸伝来の小道具の中にはヴェトナムにも通じるものが有るのではなかろうか。
現代日本が、実はそうした志村けんの「バカ殿」で出来ているというのは、ホンダに始まり、高速道路・ダム・新幹線という、形を変えた侵略の進むヴェトナムでも受けるかもしれない。
ベトナム現代短編集1
131012
名将ボー・グエン・ザップ翁が逝去。国葬が執り行われた。本書にも出て来たホーチミンルート防衛隊の乙女達のお仲間も、すっかり落ち着いた年頃になり、国葬に参加している。
by dehoudai
| 2013-07-29 13:47
| ほん
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