2013年 06月 19日
農奴の時代 |
明治時代には「日本之下層社会」「最暗黒の東京」といった、都市部の「無産者」の悲惨な暮らしに警鐘が鳴らされた。今では米国式の「2丁拳銃早撃ち文明」の所為で、家電製品から住宅に至るまで、すっかり「使い捨て」が板について来た日本だが、いよいよ農村と漁村にも「人間は使い捨て」という時代がやって来る。
米国には「シェアクロッパー」なる、まあ奴隷の子孫の様な人々が居るようだ。ロシアが「ソヴィエト連邦」と称して、国営の農奴制農業をやっていた頃にも、大型農業機械などを見た事が無かった「戦後左翼知識人」には「集約化・大型化・機械化」というのが「近代化」だと言う事で、ウケが良かった。
長く「農産物・水産物の生産」を目的とするのでなく、「農産物・水産物の生産を通して、地域の環境を維持し、住民が幸せに暮らす事」を目的として来た豊葦原瑞穂国も、
農村はイラナイ
漁村はイラナイ
というTPPで風前の灯だ。
150年の後にはどうなる事やらという、参考になりそうな事例がLATimesに載っていた。その昔日系人も多く「農奴」を務め、誰かが歌にもうたっていたサリナス市議会が大荒れだそうだ。
長く地域の教育に貢献して来たホセ・カスタネダさん(造園業)が、金も使わず運動もしないのに市会議員になってしまい、その流れでイーストサイドにある小学校の名前が変えられたのだそうだ。
新しい名前は「ティブルシオ・ヴァスケス小学校」だというのだそうだ。カスタネダさん初め、地域のメキシコ系住民の尊敬してやまない、Tiburcio Vásquez(1835-1875)は、白人に悪いことなら何でもやった大盗賊のならず者で、最後は死刑になったという、白人からすると「悪魔」そのものだそうだ。
元を辿ればカリフォルニア全土が戦争によって、メキシコからむしり取られた土地であり、白人の横暴に抵抗するのは、メキシコ系住民に取っては「領土回復運動」なので、ティブルシオ・ヴァスケスさんも民族英雄であり、「ヴァスケス小学校」も地域では受けが良いのだろう。サリナスは西部と、農業労務者が多いのだろうか、東部で所得にも差があるそうで、簡単には片付きそうもないらしい。
米国建国の千年以上前から、地域住民の農と漁によって維持されて来た「美しい日本」だが、戦争でもないのに「国際資本のプランテーション」に献上してしまうのは、正気の沙汰とも思えない。
竹田の子守唄とTPP
農奴の時代
漁村が消える
TPPイラナイ
農村は要らない
TPPとテレメータ水位
TPP殺人事件第一号
by dehoudai
| 2013-06-19 14:34
| まちづくり
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