2013年 03月 25日
幻の満州国 |
家尊が昭和8年に渡満したのは、税務署のアルバイトでは将来に希望が持てない、ということだっただろう。渡満してからも行政の第一線で皇帝陛下の官吏として働いたのであるから、満州国の国体については、それなりの実感を持っていた筈だ。
昭和18年8月に、山奥のレアメタルの鉱山から、新京で国家中枢部にポストを用意した、と言われた時に、脱走してしまったのが彼なりの「幻」への選択だった。
しかるに、家尊の前妻は「今日は三中井、明日はヤマトホテル」のクチだった様だ。そして大人と違って姉達は「幻」の何たるかも考える年に足らない幼な子だった。
浜松から新京へ来た「コンペイトウ屋」を、頼まれるままに関東軍に紹介し、「コンペイトウ屋」は「コンペイトウ糖じゃあ大したことは無いが、カンパンと組み合わせれば、全関東軍の軍用食として大量に買い上げてやる。」ということで、未だにカンパンの大手になっている。
しかるに姉達は盆暮れに「コンペイトウ屋」から四斗缶でどっさり届けられる、コンペイトウを色分けし、同じくヨーカンを手で練って野菜や肉の形を作り、ままごと遊びをしていた記憶があるだけだ。何と「アジア号」の展望車で旅をしたこともあるのだそうだ。
養蚕学校卒の家尊は国家中枢に迷い込み、「国家なんて数人の高等文官が好きな様にすれば良い。」という国家のむき出しの姿におののいて、逃げ出してしまった。
しかし姉達は「国務総理のお嬢さんは2級上で、黒い車で送り迎えがあった。」「建部さんのお嬢さんとは同級で、年賀状が来る。」というわけで「国家中枢のご学友」というお育ちだ。
頭で理解すれば「幻の満州国」なのだろうが「国家中枢のご学友」というのは血液なので、今だに自分の育ちから、抜け出せないでいる様なところがあるのは、仕方無いことだろう。
田舎のばあさん連ならそれ程害もなかろうが、岸信介君のお孫さんも、同じ病気の様で心配だ。
写真右は建国十周年記念式典に臨まんとする家尊である。なんとなく偽満州国高官という感じであり、左の本物の満州国高官と対照的だ。
幻の満州国
逃げる
赤い月
同行者
国権伸張の時代
看板の無い街
老情歌
昭和18年8月に、山奥のレアメタルの鉱山から、新京で国家中枢部にポストを用意した、と言われた時に、脱走してしまったのが彼なりの「幻」への選択だった。
しかるに、家尊の前妻は「今日は三中井、明日はヤマトホテル」のクチだった様だ。そして大人と違って姉達は「幻」の何たるかも考える年に足らない幼な子だった。
浜松から新京へ来た「コンペイトウ屋」を、頼まれるままに関東軍に紹介し、「コンペイトウ屋」は「コンペイトウ糖じゃあ大したことは無いが、カンパンと組み合わせれば、全関東軍の軍用食として大量に買い上げてやる。」ということで、未だにカンパンの大手になっている。
しかるに姉達は盆暮れに「コンペイトウ屋」から四斗缶でどっさり届けられる、コンペイトウを色分けし、同じくヨーカンを手で練って野菜や肉の形を作り、ままごと遊びをしていた記憶があるだけだ。何と「アジア号」の展望車で旅をしたこともあるのだそうだ。
養蚕学校卒の家尊は国家中枢に迷い込み、「国家なんて数人の高等文官が好きな様にすれば良い。」という国家のむき出しの姿におののいて、逃げ出してしまった。
しかし姉達は「国務総理のお嬢さんは2級上で、黒い車で送り迎えがあった。」「建部さんのお嬢さんとは同級で、年賀状が来る。」というわけで「国家中枢のご学友」というお育ちだ。
頭で理解すれば「幻の満州国」なのだろうが「国家中枢のご学友」というのは血液なので、今だに自分の育ちから、抜け出せないでいる様なところがあるのは、仕方無いことだろう。
田舎のばあさん連ならそれ程害もなかろうが、岸信介君のお孫さんも、同じ病気の様で心配だ。
写真右は建国十周年記念式典に臨まんとする家尊である。なんとなく偽満州国高官という感じであり、左の本物の満州国高官と対照的だ。
幻の満州国
逃げる
赤い月
同行者
国権伸張の時代
看板の無い街
老情歌
by dehoudai
| 2013-03-25 17:29
| きせつ
|
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