2012年 11月 11日
日本人の想像力 |
岩井俊二監督 1996
というのを見て来た。「日本人の為の日本人による日本の映画」という印象だ。
コロニーと言えば、埋め立て地かなんかに、西部劇風のセットを作る、話す英語は高校で教えられた白人英語と、日本が米国の文化的植民地であることが良く分かるのだが、制作側はそれとは気付かないらしく、従って観客もそれに気付かない。あるいは観客の受容能力が「西部劇と上海マフィア」程度なので、それに合わせて制作しなければ、見てもらえない。
"SwallowTail" の1996年から16年で、日本では一層の国際化が進んだが、それはこの映画の想像力を超えたものだった。現在の「円都知事」は孫正義氏だろう。日本生まれの日本育ちで大陸の血を引く彼が「安本さんという在日韓国人」から「孫さんと言う日本人」になる為には、当局を相手に奇策を講じなければならなかったそうだ。
孫正義氏の様に「見える円盗」ではなく、「見えない円盗」の方がはるかに広く日本社会に浸透している筈だ。
映画が終わると11時になっていた。石橋君に誘われて「円都」見学へ。エレベータの張り紙を見た石橋君は「家賃払わないから、まだ直してもらえないんだな。」
祖母はリスボン生まれ。ブラジルの「多文化共生社会」の大きな背景が「欧州の戦火が及ばない」という地政学的特質であることが良く分かる。
祖父はナポリの人。
戦争があって、父はブラジルで生まれた。
僕はニューヨーク育ち。
日本へ来て最初は上田で仕事をした。
関西と関東をつなぐトラックの運転手もやったけど、不況で仕事が減って来たので、袋井に腰を落ち着けている。
ケータイに入れた子供の写真を見ると、日系ブラジル人のお母さんとの間に出来た子供は、6年生の姉は日本人顔だが、4年生の妹は少し「濃い味」だ。
まだ11時過ぎなのに、3階のロシアンバーが開いていた。土日営業だそうな。ダンスミュージックをガンガン流して、立混んでいる。ウィスキーを頼むと、ジャックダニエルズのポスターの割には、飲み過ぎるとどうなるか解ったもんではない味がした。ソーダで割ってもらう。
ロシア人だと言うおかみさんの仲間か、ふくよかなご婦人がカウンターに入って、野口英世君をきれいに束ねては「千両箱」の中にしまっているのが"YneTown"風だ。基本的な言葉は日本語なのだが、ここまでくるとガイジンもニホンジンも何だか良く分からない。
by dehoudai
| 2012-11-11 16:04
| まちづくり
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