2012年 10月 20日
この国には風景が無い |
開店後は「非常時」ということで苦労を重ねたそうだが、私の物心の付いた昭和30年頃には、戦後の浜松の活気の向こうに、大正ロマンの残り香が微かに感じられた様思う。屋上の高架チンチン電車の下の熊の檻には、戦時中には撃墜されたB29の搭乗員が入れられて、さらし者になったこともあるそうだ。
元城小学校を取り払って、浜松城公園を広げて桜を植えようという、全国どこにでもある公園を作るぐらいなら、いっその事隣のサゴーの跡地と合わせて樹-照葉樹でも植えたら良いのにと思うのだが、最近とんと製造業から金を借りてもらえない金融資本が許さんのだろうか。
日本人は30年で産業廃棄物となる住宅に住まなければならず「家一軒建てて一生終わり」という悲惨な人生を強要されて、製造業に御奉仕しなければならない。まちなみもそれと同じだ。Stewart Brandが"How Buildings Learn"で説いた様に「建物が風景になるには50年掛かる」のであれば、近代的製造業の製品である建材が建ち並ぶだけで、この国には風景が無い。
アメリカ住宅建材セミナー
by dehoudai
| 2012-10-20 13:47
| まちづくり
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