2011年 10月 17日
Jobsの遺産 |
iPhone4Sは世界中に数百万個の店頭在庫が用意され「ホットケーキの様に売れた。」ようだが、「世界征服」を目指す株主とは違い、zen宗に帰依するというジョブス君は、「吾唯知足」でこちらは別に見んでも良いと思っていたかもしれない。
ウォール街を占拠しようという、http://www.michaelmoore.com/、http://occupywallst.org/などの呼びかけに人々が応じたのだが、その様子はツイッター#OWSなどに逐一流れて来た。ツイッターの画面はたちまち数万人のデモ隊の中の、無数のレポーター達に占拠されてしまう。
それを新幹線の中で、引っ越しの合間に、リアルタイムで知ることが出来るのだ。YoutubeにもiPhoneからのヴィデオがいくらでも流し込まれている。おまわりさんが警棒でクソジジイをはたこうとしても、今までとは違い、数十倍の数のヴィデオカメラで撮影されてしまうのだ。
ところが新聞・テレビといった既存のメディアは、インターネットを使ったこの新しい潮流に、完全に乗り遅れている。ロンドンのEveningStandardなど、名門紙でありながらピンボケ解説を平気で掲載していた。マイケルムーアといいルース・オゼキといい、ドキュメンタリーテレビ出身で、既存の情報伝達の枠に飽き足らなかった人たちだ。
ソヴィエト連邦崩壊に、全てのマスメディアを遮断しても、電話線があれば情報は拡散出来る、というファックスが大きな力となったという説があるが、iPhoneを使って同じことが米国でも起こりつつあるのだ。
スティーヴ・ジョブス君が最後まで陣頭指揮をとっていたのがiPhone5だということで、これが彼の我々に向けた最後の遺産だ、と言う向きもあるが、昨日のワシントンスクウェアのように、インターネットを使って民主主義を守るということの方が、ジョブス君の世界史に残した遺産だろう。
ウォズニアック君がどこかで「ちょっと心配。」と言っていたもの、社内はともかく、株主にはジョブス君の遺産が「もの」ではなく「こと」だというのに気付いていない向きがあるからだろう。
3月11日以来すっかり国民から信頼されないという「中国化」が急速に進む我が国の行政機構が信頼を取り戻すのも、インターネットを何処まで活用出来るかに、懸かっているのだろう。burikineko氏が語るのは臺湾の現状では無く、さっき帰って来た大陸の様子だ。
by dehoudai
| 2011-10-17 06:19
| まちづくり
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