2011年 02月 26日
自治の無い国 |
土地区画整理事業というのは要するに地主が集まって、「駅が高架になるそうだで、ひとつ駅の廻りをきれいにしてくれんかや。」と市役所に命じて道路などを整備する、ということになっているはずだ。しかし実際には住民が知らぬ間に青写真が作られ、ある日役人がやって来て「これが一番良いから、これでハンコをくれ。」となり、地主連は目を白黒、という事が多いのではなかろうか。
被告勝訴という事で市役所関係者は、鬼の首でもとった様な顔をしているが如く報道されていたが、これとて自慢出来る話でもあるまい。地方自治体という割には自治など程遠く、縦割りの部課ごとに上級官庁の言いなりになって「弾除け」に甘んじていなければならないのが実情だからだ。
「地方自治」を言うなら外務省と国防省を除く中央官庁は全て廃止して、権限を地方に委譲してしまえば済むのだが、そうはいかない。中央官庁というのは、税金の使い道を決める為にあるのであって、全ての公共事業は税金を国民から取り立てる口実に過ぎないのだ。
立法府の予算審議と言ったところで、自分の頭で考える能力の無い連中の事だから、官僚がどうにでも操れるお人形さんの様なものだ。本来中華人民共和国の如く「「地方政府」は「中央政府」の手下」という事で良いのだが、戦争に負けたお陰で「自治」などという言葉が持ち込まれ、混乱に輪を掛けている。この際「自治省」は正しく「内務省」と看板をかけ直した方が国民の勘違いをただす事になろう。
戦後の台湾で矢多一生さんは「自治的理想郷建設」を夢見ていたが、国民党に「国家政権転覆煽動罪」ということで殺されてしまった。「自治」は「国家政権転覆煽動」なのだ。
by dehoudai
| 2011-02-26 13:03
| にゅーす
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