2010年 11月 28日
ウォールストリートジャーナル |
帰りの電車はもう少し混んでいて、隣にダークスーツを着込んで、びしっとネクタイを締めた、30代とお見受けする白人ビジネスマンが。読みさしの「ウォールストリートジャーナル」をアタッシュケースへ仕舞ってぱちりと閉める。「どちらまで?」とちょっかいを出してみる。
「ジャマイカ乗換でさらに45分くらい掛かるんですよ。」それにも関わらず、「ウォールストリートジャーナル」氏は、黒人ばかりのクイーンズのマンションには、仕事上住むわけにはいかず、「サバービア」という伝統的空間に住まなくてはならないのだろう。
「じゃあ、戸建て住宅を買って?」
「ええ、まあ。電車はこの通り汚いんですが、マンハッタンへ車というのもちょっと無理なんで。」
「東京もひどいもんですよ。都心から2時間通勤で、普通の人が買えるのは敷地50坪の上に建物40坪くらい。」
「まあ、ロングアイランドだと、廻りは海とかありますけどねえ。それだって昔はロブスターの産地だったんですが、水質汚染とかで、死んだ人も居るみたいです。最近は食べようと思ってもめちゃくちゃな値段。」
究極のアメリカンドリームが、実は究極の消費材であり、米国人も一生掛かって家一軒という、消費地獄に済んでいることには気付かず、貧乏人と一緒に、汚い通勤電車に揺られなくてはならないのを、疲れの原因にしているのだ。
ウォールストリートジャーナル
ヘイトアシュベリー
サバービアの憂鬱
超高層マンション
高層集合住宅のこれから
by dehoudai
| 2010-11-28 22:48
| まちづくり
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