2010年 03月 13日
省エネ敷地 |
省エネ法のトップランナー基準というのがあるので、この住宅の適合判定をやってみた。概ねOKであって、躯体に関しては小屋裏断熱層を200厚でなく、220厚にする必要がある事が解った。窓も南側の大きな窓は庇の出を915mmにすることでクリアーしている。ただ引っ掛るのは西側の窓と2階の窓をrow-Eガラスにしてやらなければならない。
「建築技術」誌1月号に省エネに関する、各方面のトピックスが紹介されている。斜め読みをすると、相変わらず「海外先進事例」をどう我が国に適合させるか、みたいな雰囲気が濃厚である。「建築基準法28条の2-その後」みたいな話も紹介されていた。シックビルディング騒ぎ以降、新築住宅では特定汚染物質の濃度が激減している、とのこと。ただ「ファンヒーターはいい加減に止めてもらいたい。」というが、あれが一番安いのだ。空調換気扇を付けているので、これでいいノダ。問題は防蟻剤ダ。
床下の結露なんだが、枠組壁工法では送風しなければ、床張り前にスラブに溜った水が、竣工後まで残ってしまうと、躯体の気密度がかなり高い。そこで浜松辺りでは凧を揚げてる頃に、冬季サイクルの有圧送風を行い、8月には「土用干し」で同じことをするという「季節感を味わってもらう。」ことを考えている。年間の絶対湿度が大して変わらない、というヨーロッパと違う日本では、エネルギー投入を伴う機械送風は、今の所仕方が無いという感じ。
現場写真を眺めると、浜松市の中心市街地と比べてさえ、今回の敷地は誠に恵まれている。庇を大きく出すことも、面積に余裕があってのことだ。通風も良い。周辺は昭和40年代に畑作園芸の優等生だったところだが、夏場の気温も市役所周辺とは大分違うはずだ。
そう考えると、断熱材を230mmにするとか、窓をrow-Eガラスにするとかいったことより、街中で多大なエネルギーを消費しつつ暮らすよりも、畑の中の敷地の方が、はるかに省エネではなかろうか。廃車を増やしてエコポイントをくれるくらいなら、省エネ敷地にもe-siteなんちゃってエコポイントをくれてよかろう。低エネルギー消費の観点からする「田園都市」もあって良いはずだ。
省エネを言うなら江戸時代、元旦に諸大名が将軍へ年賀登城の折、足袋着用が許されたのは2万石以上であって、2万石以下は国主と言えども素足に草鞋で雪を蹴って、という方が立派な無暖房ではあるのだが、
省エネ敷地
生態系に配慮した敷地
潮風の吹き抜けるダイニング
by dehoudai
| 2010-03-13 11:37
| まちづくり
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