2008年 12月 15日
私たちは土民なんだろうか |
最近気に入って聞いているのは、台湾の原住民、まあかっては土民と呼ばれた人々の音楽です。現代でもこんなに人間的な音を奏で、歌う人達がいるというのに感動します。
あまりの素晴らしさに、パクッてしまえということで、アトランタオリンピックの折に無断でコーラス音源に使って騒ぎになったのは皮肉でした。戦争になると「赤い襷の誉れの軍夫」「高砂義勇隊」などとおだてておきながら、戦後は「あれは三国人」と使い捨てにされています。
「ひどい時代もあったもんだ。」と、他人事の様に眺めていたら「我が身」にであればまだしも、浜松市議会初め浜松市民が実は土民扱いされている、という事例に突き当たりました。
先日、昭和11年「浜松市都市計画」によって、佐鳴湖公園の風致地区に接する地域として指定され、長く市民のための公園隣接地域として大事にされて来た佐鳴湖西岸に、高層マンションが建つのはおかしい、という入野町臨江山の住民達が、「浜松市建築審査会に」審査請求をしました。
裁定書には市民の納得できる「付言」が付けられているのですが、裁定本文には
「審査請求を棄却する」
とあります。法律を良く読むと、いくら地方自治体が英知を集めて都市計画を立てても、それを破壊しようとするものが現れた場合、地方自治体が都市計画に沿って作った条例は法に対抗できないということらしいのです。地方自治体が建築審査会を開いて、条例を守る裁定を出すとと、国の建築審査会に訴えられて、お咎めを受ける仕掛けになっている様です。
結局の所、都市計画について言えば、自治体は国の弾除けなのですね。
しかし我々の住む浜松市のまちづくりに最も詳しいのは、「手賀沼と佐鳴湖とどっちが汚ねーか。」などと、高所大所から眺めている中央官庁の御奉行様連ではなく、子供の頃から地域の環境で育った市職員です。中には弾除けに精を出して、お誉めにあずかろう、という人々も居ないわけではありませんが、市職員の殆どは「おまえらは弾除け、下請けなんだから、文句を言わずに、言われた通りにすれば良いのサ。」と蔑まれ、いじめられながら、それでも浜松が素敵な街になることを願って、働いています。市役所職員も市民であり、大きな意味での「近隣住民」です。
本来こうした土民軍と私たち土民が、力を合わせて敵と戦うことなしに、まちづくりは出来ないのですが、法律では建築審査会という場でも、敵と味方に別れて、ローマ時代にコロシアムで行われたという、一部の人々を喜ばせるための、殺し合いをしなければならないのは、悲しいことです。
by dehoudai
| 2008-12-15 00:17
| まちづくり
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