2008年 11月 03日
農楽 |
しかし渡船場で農楽を聞くことが出来たのは良かった。農楽と言うが、風流楽、四物楽など、ちゃんとした名前がある様でもあり、逆に「農民が集まると、こうなっちゃう」ということで、名前など無い、ということになると、こっちの方がすごいとも言える。
本来ならば何日も掛けて、村中が音に埋まっておかしくなってしまう、というものではないかと思うのだが、ほんの10分程度の演奏でも充分にその片鱗がうかがえた。地中から聞こえてくる様な、どっちかいうと「怪力乱心」と、日常生活の仕切りに穴をあける様な音楽である。それを渡船場の水際でやるので、ふと思い出したのは「巫女図/金東里」という小説のラストに出て来る「巫女入水図」だった。これは朝鮮へのキリスト教の侵入の、ひとつの面を描いているという点で、「客人/黄皙暎」に通ずる。
浜名湖の水は閑山島の水に通ずる訳で、あのままやっていれば文禄慶長の役の、彼我の戦没者も水中から姿を現したであろう。
by dehoudai
| 2008-11-03 15:09
| はまなこ
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